コンサルタント選びの成否はプロジェクトに大きな影響を与えます。

失敗はコストやスケジュールなどにも影響が出てくる場合もあります。

パッケージ選びよりもコンサルタント選びの方がプライオリティが高いと認識し、企業やベンダーはコンサルタント採用には十分注意を払っていることと思います。

採用に際して、面接や初回訪問時に「職務経歴書（プロフィール）」の提出を求める場合が多いです。職務経歴書はコンサルタント（本人）が記入する場合が多いので、ある程度誇張しているところもあるかもしれませんが、何かあったときに面倒なので大きな虚偽記載は無いことが前提です。

職務経歴書の記載内容は主にこれまでの業務内容、分野、参加形態などの項目があり、まずは目に行きやすいところです。大事なコンサルタントを選ぶ基準としてプロジェクトに必要なスキルを見る上では当然です。

ただし、職務経歴書の中にもし「作業期間」の欄があったらそれにも注意して見ることをお薦めします。もし記載が無かったら直接確認してみてはどうでしょう。

会社規模や導入範囲によって違いはありますが、ERPパッケージ導入作業期間は約1〜2年が多いです。

その「作業期間」にコンサルタントの成否の鍵があるように思います。

具体的には、1年以上のプロジェクト参画経験がどれくらいあるのかを知ることが大事です。

たくさんのプロジェクトを経験していたり、同時期に複数のプロジェクトを担当していたりすることも大事ですが、1つのプロジェクトをプロジェクト期間（少なくても契約期間）満了まで担当していることも大事だと考えています。プロジェクト全体の流れが分かっていることで、どのような難しい場面にも対応できる場合が多いです。成功体験と同時に失敗体験を多く持っていることがコンサルタントとしての強みです。また、最後まで責任を持って仕事をしていることが分かり、お客様から信頼が得られていたことの証拠とも言えるのではないでしょうか。プロジェクトが未経験者の経験の場となるようなことだけは避けたいところです。若いコンサルタントの方で経験が浅くても1つのプロジェクトをやり遂げていれば周りは安心できます。

もちろん、企業やベンダー側の事情からどうしてもリリースせざるを得ない状況もあるかもしれませんが、プロジェクト期間の満了を待たずに、期間途中で終わるのにはコンサルタント側のマイナスの理由が多かったように思います。どんなにスキルがあっても、お客様からの信用が無くなり、結局は上手くいかずに、本人の意思如何に関わらず継続不可にならざるを得なかったケースです。

以上はあくまで我見です。実際は職務経歴書だけでそこまで判断するのは難しいことです。私自身も人と比べて特に才能もありませんし、偉そうなことは言えませんが、これまで自身の都合で途中からプロジェクトを離れたことはありません。これまで良いお客様に恵まれていて運が良かったことも多分にあります。

“継続は力なり”、どんなに困難なことがあっても最後まで諦めないことです。

導入開始から導入後の運用保守の最後までプロジェクトに参画できたことがコンサルタントとしてこれまでの大きな財産であり、自信になっています。

弊社の社名の由来にもあるとおり“責任”を持って今後も仕事をしていきたいと思います。

最後に、私がいつも思っているのは、プロジェクトを離れる際にお客様から「おかげさまでありがとうございました」と一言を言われたいということだけです。