プロジェクトの目的を明確にする

　ややもすると、プロジェクトを開始すると各参加者は自身ことのみを考えて、当初のプロジェクトの目的を忘れてしまいがちとなります。各々が別の方向を向いてしまいますと、異なるベクトルに向かってプロジェクトを引っ張り合うような形となりますので、プロジェクトを推進し成功させることは困難となります。
　プロジェクトメンバーに、プロジェクトの目的を徹底し、プロジェクトの目的の成功を第一義にプロジェクトを進めていくという共通認識が必要となります。

　スモールスタートを心がける

　プロジェクトを開始するにあたっては、プロジェクトの期間、プロジェクトで行うべき対象、プロジェクト参加者は明確になっています。ただ、残念ながら、プロジェクトを開始すると、あれもやりたい！これもやりたい！というケースが少なからずみらます。近年のプロジェクトは予算や期間も厳しく限定され、安易にプロジェクトの範囲を広げられるものではありません。限られた期間、限られたコスト、限られたリソースでプロジェクトを成功させるため、当初の範囲でまずは、プロジェクトを成功させて、そのうえで、新たなプロジェクトをできる範囲で追加していくことが、プロジェクト全体の成功への近道となります。

　業務をよく知っている方の時間を確保する

　ヒアリングやプロトタイプでのテストでは、業務をよく知っている方をアサインする必要があります。業務をよく知っている方は多忙な方が多く、時間確保することが困難な場合が多いものです。ただ、業務を十分に把握していない方からのヒアリング要件に基づいてシステム設定を定義しても結果的にやりなおしとしたいとされるケースが多々みられます。時間的、コスト的に無駄が生じる結果となりますので、業務をよく知っている方の時間を確保する必要があります。

失敗しないＥＲＰ導入の秘訣　〜なぜコンサルタントは必要か〜

ＥＲＰはパッケージシステムであるため、導入の上でテクノロジー的な面でのハードルというのはさほど高くありません。ではなぜコンサルタントが必要になってくるのでしょうか。

・機能が豊富

　ＥＲＰはほとんどの業務領域、あらゆる業務形態に対応できるように設計されているため機能が非常に豊富です。その多くの機能からお客様にとって最適なものを選択し組み合わせていくことをお客様自身で行うことは非常に困難な作業となります。また、実現したい要件について追加開発しなくてはならないのか標準機能でカバーできるのかを判断することもまた然りです。そこで機能を十分に理解しているコンサルタントに相談することが有効、有益となります。

・領域をまたがったデータ連携

　ＥＲＰは発生源で入力されたデータが最終的には会計システムまで連動して流れていく仕組みになっています。そのためＥＲＰ導入にあたっては業務全体を俯瞰できる人間が必要になってきます。お客様は自身が担当している業務については詳しいですが、他の部門が行っている業務についてはあまり詳しくないのが通常です。特に会計業務を含め、すべての会社業務を理解している人というのはまれだと思います。

こうした人材を社内で確保できれば別ですが、無理であればコンサルタントにその役割を求めるのが有益かと思います。

・プロジェクト管理

　ほとんどのお客様にとってＥＲＰの導入は初めての経験になると思いますので御客様だけでプロジェクトを進めていくことは非常に困難です。ＥＲＰの導入は導入メソトロジーに沿って進めないと多くの場合うまく行きません。そこでＥＲＰプロジェクトについて熟知しているコンサルタントと共にプロジェクトを進めていくことが成功の第一歩となります。